この記事 こんな思いで書いています
結論を急ぐ人向けの記事ではありません。
中年期の迷いの中で、本を通して得た気づきを
言葉にしています。
※本の要点を先に知りたい方は、途中の見出しから読めます。
※ここからは、個人的な実感や迷いも含めて書いています。
Help me! ~いやあ、しんどいなあ
今回のお悩み:
「ありきたりな本は飽きた。ちょっと変わった視点の小説知らない?」
じゃあこんな本はどう?
Who are you? ~どんな内容?
81冊目はこちら!『いけない』【文庫版】(文藝春秋、2022年8月10日発売)でございます。
ラスト1ページが暴き出すもうひとつの”真相”をあなたは見抜けるか?
引用: 『いけない』(単行本 表紙帯)
著者は道尾秀介氏。1975年5月19日生まれ。兵庫県芦屋市出身。玉川大学農学部卒。ペンネーム。作家の都築道夫氏に由来。当初は太宰治、川端康成を好むも映画『獄門島』をきっかけに横溝正史も読み始めた。2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。2011年『月と蟹』で第144回直木賞を受賞!
「この仕掛けに騙されてはいけない、写真の真相に驚いてはいけない」
小説を超えた<体験型ミステリ>
引用:『いけない』(文庫本 表紙帯)
なんなの体験型ミステリって
基本的に小説というのは紙に活字が印刷されているもので、「はじめに」に代表される作者の挨拶はなく、目次のあとにいきなり物語が始まります。挿絵も最小限、いや基本的にはなく、読者はただ活字を追い、ほどなく作家が紡ぐ世界に引き込まれていきます。○○型という表現をあえて使うのであれば「吸収型」とでも言っておきましょうか。
ただ本書の「体験型」は少し違う。ただ読み進めるだけの小説と違い、読み終えた小説を再検証し、びっくりする「体験」をさせてくれる!
ぶち抜き2ページつかって「どんっ!」とか
ONE PIECEだよそれは
表紙を開き、目次に目を通す。そして次をめくると、奇妙なページが目に飛び込んできます。
それがこれ
本書のご使用方法
・まずは各章の物語をじっくりとお楽しみください。
・各章の最終ページには、ある写真が挿入されています。
・写真を見ることで、それぞれの”隠された真相”を発見していただければ幸いです。
第一章……死んだのは誰か?
第二章……なぜ死んだのか?
第三章……罪は誰のものか?
終章……????????
引用:『いけない』(P3)
最初にこれを読んだとき、ゲームブックみたいだなと思いました。とにかくなにか仕掛けがある。それは何か。謎解きなのか。それとも他に目的があるのか。そしてこのページの裏には、白沢市・蝦蟇倉市のサイクリングマップが載っている。
蝦蟇倉…鎌倉あたりがモデルなのかな?
各章の紹介の後に「ほほう面白い度数」も載せておきます
◇ご本人のインタビューが載っています。

ちなみに、各章の最後に置かれている写真はラフから道尾さんが自作。写真撮影にも立ち会い、ヒントのさじ加減にもこだわったそう。
「各事件の謎解きの面白さと、消化不良にならない程度の真相の開示。それを両立させるのが難しかったですね。読了後に「まだ秘密がありそうだ」と、2度、3度と読んでもらえれば最高にうれしいです」
引用:ん? “死んだのは誰か”? 道尾秀介、新作『いけない』で初の試み | ビューティー、ファッション、エンタメ、占い…最新情報を毎日更新 | ananweb
騙す気満々じゃない
悪いヒトねアータ
この場合騙された方が
嬉しいんだよ
騙された方が嬉しい…
バカなの人間って
アータ?
第一章 弓投げの崖を見てはいけない
海岸線に沿って白沢市と蝦蟇倉市を結ぶ、白蝦蟇シーライン。その道を南下するとき、左手に現れる弓投げの崖を、決して見てはいけない。
引用:『いけない』(P11)
自殺の名所、弓投げの崖。ここで起きた「交通事故」から物語は始まる。ある夫婦の幸せな日常が暗転、そして次々と登場する、クセスゴな人物たち。右手にそれぞれが何かを持ち、思惑と焦りと復讐が交差する。その時、ある車の右側からー。
「ほほう面白い度数」☆☆☆
第二章 その話を聞かせてはいけない
「……っとに、駄目よ、言っちゃ」
引用:『いけない』(P137)
登場人物は中国人の少年と、白い「HAPPY」とプリントされたトレーナーを着ているクラスメートの男子。ある日、少年は文具店で異様な光景を目撃するが、再び訪れた文具店はいつもと変わらない風景だったー。
「ほほう面白い度数」☆☆☆☆
第三章 絵の謎に気づいてはいけない
「……ポーズ?」
「これ、実際のポーズが違います」
引用:『いけない』(P216)
とある宗教法人の幹部だった女性が死んだ。追うのはモンブランとスタイラスペンを使う、ベテランと新米の刑事。自殺か他殺か。そして残された1枚の花びら。調査が進むうちに、新米の刑事は何かに気づいてしまったー。
「ほほう面白い度数」☆☆☆☆
終章 街の平和を信じてはいけない
「ね、平和っていうか」
引用:『いけない』(P269)
物語は最終章。ふたつの封筒と二人の少年。そして二人の男。波音とカモメ、そして不意に強まった海風。祭囃子を練習している音。溢れる涙の一方、脳裏を満たす困惑。果たしてこの街は平和なのかー。
「ほほう面白い度数」☆☆☆☆☆
I like you! ~紹介する理由
読み終えた瞬間、いけないⅡを買いました。便利な時代ですよねほんと。
『いけない』4つの各章題は、すべて「ではいけない」の6文字で終わっているだけでなく、文字数もすべて揃っている。細やかな技巧性にもはっとする。
引用:ん? “死んだのは誰か”? 道尾秀介、新作『いけない』で初の試み | ビューティー、ファッション、エンタメ、占い…最新情報を毎日更新 | ananweb
ついでに言えば、各章の隠れた真相も「死んだのは誰か?」のように7文字。であれば、終章の真相はなんだろうか。
「ミーは美しいか?」
「散歩は朝昼晩か?」
「関係ないだろ?」
謎解きに言葉遊びを添えると、とびきりオシャレになりますね。2度、3度と読みたくなり、そして誰かに喋りたくなる。これは文字の表現を、小説の可能性を広めた本です。
元来、道尾氏のペンネームの由来でもある都築道夫氏、またショートショートの王、阿刀田高氏は最後の1行で天地を逆さまにする筆力をお持ちです。短篇小説の醍醐味はまさにそこなのですが、道尾秀介氏はこの、大どんでん返しを広く、そして分かりやすく、敷居を低くし、SNS全盛時代の若者にも、漫画しか読まない読者にも、小説の可能性をものの見事に表現されました。
現代文学の新たな挑戦。あっぱれです!
私はこう言いたい。
「小説を信じなければいけない」と。
Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
「このままだと、もう、ほんとに自殺ってことになっちゃいますね」
引用:『いけない』(P231)
ある人物の発言。まんま、この本の世界観。
「平和とはなにか?」
「街は平和なのか?」
Thank you! ~55秒解決!
今回の【55秒解決】
表現方法を変えるだけで、そのものの可能性は広がるのだと改めて感じた。
仕事でもつかえそうな発想
Let’s try it! ~いまからできること
① たまには相手側の視線を意識する。
② 犯人が自分だったらどう振る舞うか考える。
③ 競合他社側から自社の弱点をあぶりだす。
最終的には自分たちのためになる!


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