この記事 こんな思いで書いています
結論を急ぐ人向けの記事ではありません。
中年期の迷いの中で、本を通して得た気づきを
言葉にしています。
※本の要点を先に知りたい方は、途中の見出しから読めます。
※ここからは、個人的な実感や迷いも含めて書いています。
Help me! ~いやあ、しんどいなあ
今回のお悩み:
「戦争も原爆も自分には関係のない話だと距離を置いていたが…」
意外な気づきがあった!
Who are you? ~どんな内容?
78冊目はこちら!『夕凪の街 桜の国』【全1巻】(双葉社、2004年10月20日発売)でございます。
著者はこうの史代氏。広島県広島市出身。広島大学理学部中退。広島大学ではイラストマンガ同好会に所属。上京後に、とだ勝之氏、谷川史子氏などのアシスタントを経験したのちに『街角花だより』(双葉社、1995年)でデビュー!
2004年『夕凪の街 桜の国』(双葉社)第8回文化庁メディア芸術祭漫画部門大賞および第9回手塚治虫文化賞新生賞受賞!
そして、2009年『この世界の片隅に』(双葉社)で第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞!
◇【55秒解決】『この世界の片隅に』はこちら!

広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ
引用:『夕凪の街 桜の国』
この本は『夕凪の街』と『桜の国』㈠『桜の国』㈡の3篇で構成されています。
『夕凪の街』は”原爆十周年”(作中表記より)1955(昭和30)年の広島。そして『桜の国』㈠は1987(昭和62)年、そして『桜の国』㈡は2004(平成16)年の東京が舞台。
『夕凪の街』主人公は平野皆実。23歳。「大空建研」という会社に勤める穏やかな女性です。作中では母親のフジミと二人暮らしです。弟の旭は疎開先の伯母宅で養子として引き取られ、旭自身も広島に変えることを「向うの言葉で」嫌がりました。他の家族は皆原爆で亡くなり、皆実自身も被爆者です。過去の経験から「生き残ってしまった」ことへの罪悪感に苛まれ続け、そしてそれは、職場の同僚・打越に抱く恋心も自ら受け入れることを拒み、家族を持ち幸せに生きることを否定し続けます。
そんな皆実はすでに病魔に蝕まれており、日ごとに容態は悪化していき…
そして。
ああ 風
夕凪が終わったんかねえ…
引用:『夕凪の街 桜の国』
続き!続き!
ここまで!
時は流れ。
『桜の国』㈠『桜の国』㈡の主人公は石川七波。㈠では小学5年生、㈡では28歳。
㈠のパートでは七波の父の旭、七波の弟の祖母のフジミの3人暮らしです。
フジミってあのフジミ?
旭ってあの旭アータ?
さん付けしろ
七波は少年野球チームに所属し、周囲の男子とケンカするなど活発な女の子です。そして隣に住む利根東子とともに何気ない日常を送る姿が描かれています。ちなみに1987年の東京ではすでに原爆も被爆も「知りたくてもその機会に恵まれない」状態で「遠い過去の悲劇」として設定されています。
えらいわね 仲良しさん
引用:『夕凪の街 桜の国』
このセリフはある場面で、ある看護師さんのセリフなのですが、個人的に皆実にそっくり。
転生?
3篇の中で一番明るいパートですが、それでも七海の鼻血、病気がちな凪生、フジミの検診の結果など確かにあの時を感じさせる描写がありー。
そして物語は『桜の国』㈡へ!
ところで舞台の東京ですが西武鉄道の新井薬師前駅周辺です
物語はあの広島から始まり、1987年を経て、作品が描かれた2004年当時に繋がっていく。
『夕凪の街』『桜の国』㈠では顔が出てこなかった旭がバッチリ登場!しかし、その旭がほこりと日焼けで真っ黒になって歩き回ることが増えたため「認知症による徘徊」を疑う七波。
ある日いつものように何気なく外出をした旭。そこで七波は旭のあとをつけることに!するとしばらく疎遠だった東子に遭遇!何と電車やバスを乗り継ぐ、大掛かりな尾行に発展!
そして!ある出来事がきっかけで、七波と東子は二人でラブホテルへ!
どうすればそんな展開になるのよアータ!
物語はやがて旭と七波の母、京花の出会い、そして二人が結ばれるところまでさかのぼり…
それでは各話のハイライトシーン!
Here you go! ~各話 紹介!
昭和三十年。灼熱の閃光が放たれた時から十年。ヒロシマを舞台に、一人の女性の魂が大きく大きく揺れた。
最もか弱き者たちにとって、戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか…筆者渾身の問題作!
引用:『夕凪の街 桜の国』
『夕凪の街』
ハイライト お前の住む世界はそっちではないと誰かが言っている
いまのハンカチ 返さんよの?
うん……ありがとう
引用:『夕凪の街 桜の国』
このシーンの後の皆実の葛藤、そして忘れられない過去の現像。走り転び、泣く皆実。
落差を見せることで沈痛な心情を表現!
ハイライト このお話はまだ終わりません
何度夕凪が終わっても終わっていません。
引用:『夕凪の街 桜の国』
夕凪とは海辺の地域で 夕方に起こる無風の状態のことを言います
『桜の国』㈠
ハイライト 桜の出前
凪生が休んでいるから 小学校の桜の出前に来たんだよ
引用:『夕凪の街 桜の国』
ぜんそくで学校を休みがちな凪生のために、あらかじめ集めておいた桜を病室のベッド上にまき散らす七波。このあとフジミにゲンコツされます。
まったく病院には来るなと言うのに 凪生のぜんそくがよけい悪うなったらどうするね
引用:『夕凪の街 桜の国』
ところでなんでフジミさんは病院にいたの?
す するどいな
『桜の国』㈡
ハイライト ピカの毒
旭と京花のシーン。
うちねえ 赤ちゃんの時 ピカの毒に当たったん… ほいで足らんことなってしもうたんと
…誰が言ったの?
みんな言うてじゃ
先生も?
うん
…すぐ原爆のせいとか決めつけるのはおかしいよ
引用:『夕凪の街 桜の国』
当時の世相、常識がここにある。
ハイライト 見てるんでしょう 母さん
生まれる前 そうあの時 わたしはふたりを見ていた
そして確かにこのふたりを選んで生まれてこようと決めたのだ
引用:『夕凪の街 桜の国』
鳥肌。こんなにすごいシーンをぼくは手元に置いていつも見ることが出来るなんて、恐ろしく幸せだ。このシーンは美しくて切なくて、もうどうしようもない…降り注ぐ桜が戦争と平和の両面を彩っている。
I like you! ~紹介する理由
少し長い引用になりますが、こうの史代氏のあとがきを紹介します。
そして誰より『夕凪の街』を読んで下さった貴方、このオチのない物語は、三五頁で貴方の心に沸いたものによって、はじめて完結するものです。これから貴方が豊かな人生を重ねるにつれ、この物語は激しい結末を与えられるのだと思います。そう描けていればいいと思っています。
また『桜の国』では、原爆と聞けば逃げ回ってばかりだった二年前までのわたしがいちばん知りたかった事を、描こうとしました。自分にとってもそうであった、と気付いてくれる貴方にいつかこの作品が出逢い、桜のように強く優しく育てられる事を、心から願ってやみません。
本当に本当にありがとうございました。
引用:『夕凪の街 桜の国』
この作品の読み方です。
私にはすでに強く育っています!
人に歴史あり、人に物語あり。避けられない運命や抗えない状況でも、そこで人は何かを見つけ、考えうる最良の選択をして生きている。今この時間、私たちは息をしている。でもここまでにたどり着いたのは間違いなく私たち自身の歩みの結果なのだ。
生きたくて亡くなっていった方々へ。
私はいまこの瞬間を生きています。いつか生きたくても生きられない明日がこようとも、その時は「もう十分に生きた」と諦められるくらい、楽しく生きていこうとおもいます。
なぜならばいまは少なくとも、あの当時の日本よりも「生き続けることが出来やすい環境」なのだから。感謝ですねほんとうに。
Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
うちはもう知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ……
引用:『夕凪の街 桜の国』
フジミのセリフ。そして手には皆実の髪留め。
実はこのセリフは結構残酷なんです
Thank you! ~55秒解決!
今回の【55秒解決】
自分の「今」は、過去の無数の選択と瞬間の積み重ねのうえにあることを再確認した。
生きているだけでわたしたちは偉いんです!
Let’s try it! ~いまからできること
① “幸せになってもいい”と、自分に許可を出す。
② 一日の終わりに「今日の一番褒めたい瞬間」を振り返りノートに書く。
③ いままで選択してきたことを時系列に記録してみる。
その瞬間を時間をかけて振り返る作業をしてみましょう!


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