【55秒書評】『深夜特急1 香港・マカオ』【後編】

【55秒書評】『深夜特急1 香港・マカオ』【後編】 【55秒書評】
賽は投げられた
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Footmark ~その足跡

深夜特急シリーズでは「もっと知りタイ」様のロードマップを引用させて頂きます。

もっと知りタイ
深夜特急 足跡

引用;もっと知りタイ

キャロ
キャロ

分かりやすくてかわいいわねアータ

前回【前編】は深夜特急のイントロダクションでした。

『深夜特急1 香港・マカオ』【後編】からいよいよ通常の書評となります。

ラムノ
ラムノ

今回は香港・マカオです!

かのん
かのん

ええ香港・マカオだけで
1冊?

濃いんです

ココ
ココ
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Who are you? ~どんな内容?

ラムノ
ラムノ

それではまいりましょう

54冊目はこちら。『深夜特急1 香港・マカオ』※初版の単行本(新潮社、1986年5月1日発売)です。

見慣れた文庫版に比べると、第1便という表現や副題が黄金宮殿になっていたりと、かえって新鮮。

今回の55秒書評はこちらの文庫版(新潮社、2020年6月24日発売)にて書評していきます。引用するページは全て文庫版になります。

著者は沢木耕太郎氏。1947年11月29日東京生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。新卒で富士銀行(当時)に入行するも、初日に退行。ほどなくルポライターとして出発。順調に執筆依頼が続く中、ある決意を胸に一時仕事を中断し、1年以上にわたるユーラシア放浪に旅立ちます。沢木氏、この時26歳。1974年のことでした。

キャロ
キャロ

それより初日で辞めるって
なかなかねアータ

ラムノ
ラムノ

これ今の時代じゃない
ですからね

実はこの銀行を辞めた理由と旅に出た動機について『深夜特急2 マレー半島・シンガポール』にて明かされます。

それでは見どころです。

ラムノ
ラムノ

深夜特急シリーズは見どころを前半で上げ 後半で解説していくスタイルでお送りいたします

♡ ♤ ♧ ♢

第一章 朝の光 
発端…P7

アパートの部屋を整理し、引き出しの中の一円硬貨までかき集め、千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事をすべて放擲して旅に出た……

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p3)
第一章の見どころ~どういうこと?

インド編は『深夜特急3』。それなのに始まりがデリーから。なぜか。

ラムノ
ラムノ

わんちゃら的に考察します

第二章 黄金宮殿 
香港…P35

黄金宮殿という名の奇妙な宿屋に放り込まれた私は、香港中を熱に浮かされたように歩きまわり、眺め、話し、笑い、食べ、呑んだ。香港は毎日が祭りのようだった……

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p3)
第二章の見どころ~どういうこと?

香港編だけでページ数が増していく…と思いきや。ここまででまだ文庫本の半分。

かのん
かのん

香港いい匂いしそう

第三章 賽の踊り 
マカオ…P125

香港の喧噪と熱狂を離れ、息抜きにマカオに立ち寄った私は、“大小”というサイコロ博奕に魅せられていった……。やろう、とことん、飽きるか、金がなくなるまで……

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p3)
第三章の見どころ~どういうこと?

文庫本の半分を2日のみ滞在したマカオに費やし、副題も香港・マカオになっている!

ラムノ
ラムノ

マカオ滞在わずか2日!

マカオの2日間で
沢木氏に何があったのか。

香港の裏通り
監禁されていたとか

ちがいます

ココ
ココ
キャロ
キャロ

アータでもサイコロ博奕とかなんとか…

いうな いまは!

ココ
ココ

I like you! ~紹介する理由

皆様にとって、耳にすると何だかワクワクする、そんな言葉ってありますか?

キャロ
キャロ

迷宮入り

闇好きだな

ココ
ココ
かのん
かのん

電信柱のシミ

匂いを連想するわけね

ココ
ココ

何を隠そう、私、管理人ラムノはですね…

ラムノ
ラムノ

非日常

強調が過ぎる

ココ
ココ

朝起きて、歯を磨いて支度して、飛び乗る電車は何時も混んでて。職場では、満ちるストレスをコーヒーで流し込みつつ作り笑い。午後になり、眠気をこらえてキーボード、叩く音すらハラスメントの対象。迫る定時、帰る準備は終業後に、なんて言われてはあ、すみません。

ラムノ
ラムノ

日常め
やんのかこのやろう

たまってんだな色々

ココ
ココ

非日常を具現化するものといえば、私は旅と答えます。こんな、つまらない日常を飛び出して知らない街へ、国へ。そりゃあ楽しいに決まっている!

深夜特急は読んでいて、沢木氏と一緒に旅をしている気分になります。それは沢木氏の表現力によるものなのですが、街並み、宿泊するホテル、そして食事。全てが活字を通して次々と映像化されていきます!さらに旅の途中で出会う人々がみんな個性的に描かれ、実にチャーミング。さすが超一流ルポライター、洞察力と観察眼は、当時から完成されていた…。

ラムノ
ラムノ

このユーラシア放浪でさらに極められたのかも

もう一度書きます。

この本は読んだ途端に、目の前に情景が映像化される、近未来の本なんです!

大阪・関西万博の日本館に「読むと映像が目の前に飛び出てくる本」として展示してほしい!

未来
ママ また壁に穴があいちゃった…
かのん
かのん

ちょっと何言ってるかわからない

キャロ
キャロ

かわいそうに 相当疲れているわねアータ

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The die is cast ~賽は投げられた

ここで見どころの解説です。

第一章の見どころ~あそういうこと?

第一章の始まりはインドのデリーから。

インド編は『深夜特急3』。それなのに始まりがデリーから。なぜか。

その日、目を覚ますと、表の通りでは早朝の喧噪が始まっていた。インドの朝は早い。(中略)だが、私には目覚めの爽快さはなかった。

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p16)

そんな沢木氏はある朝、同室にいるフランス人の若者ピエールが疲労を濃く滲ませ、沢木氏の背筋が凍るほど虚ろな眼で天井を眺めている寝姿を見て、「見てはならぬものを見た」と心の底から狼狽します。

そしてそのとき思ったのだ、もうぐずぐずしてはいられない、と。

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p16)
ラムノ
ラムノ

何らかのスイッチが入った

早く、出来るだけ早く、ここから出て行かなければならない。ゴアもカシミールもいいが、それよりまずインドから抜け出すことが先だ。インドにいる限り、いつかはピエールのようになる。どこかの安宿に沈殿し、動く意欲すら失ってしまうだろう。そうだ、もう出発すべき時なのだ。

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p18)

読み始めたばかりの読者は、インドに至るまでの沢木氏の道のりはまだわからない。でもなんだかインドに長居していることは読み取れる。快適だからなのか。それとも何となく、なのか。ただ、そんな毎日を経て、ピエールの姿を見て、沢木氏はもうぐずぐずしていられないと感じた。

インドでの様子は『深夜特急3』で触れるとして…

恐らく何らかの衝動があり、沢木氏は旅に出ることを決意した。そのときの衝動に近いものをインド在住時に感じた。だからあえて第一章にここの場面を用いたのではないか。

ラムノ
ラムノ

人生の中だるみと旅の中だるみ ふたつ我にあり

前田日明か

ココ
ココ
第二章の見どころ~あそういうこと?

「チケットを≪東京-デリー≫でお作りしてよろしいんですか?」

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p38)

デリーからロンドンまでのバスの旅。しかし旅立つ前の旅行代理店で、デリーまでの間、途中二箇所まで立ち寄ることができる、そんなチケットを沢木氏は期せずして手に入れます。

東京→デリー から
東京→香港バンコク→デリー

そして沢木氏の香港の拠点となったのが、黄金宮殿という名の連れ込み宿、もしくはそれに似た役割の旅館だった。

単行本の第一便、すなわち第一巻の副題が黄金宮殿。それだけでこの宿が香港の生活において大きなポイントだったことがわかります。

細かく書いていたらキリがない。

後々の旅を振り返っても沢木氏はこの香港を思い出すくらい、この街は刺激的でした。

キャロ
キャロ

旅の初めで新鮮だっただけじゃないアータ?

そういうことを言わないの

ココ
ココ
第三章の見どころ~あそういうこと?
ラムノ
ラムノ

いやここ面白かった!

マカオ編のポイントはこれ!

カジノ
カジノ!
ラムノ
ラムノ

マカオのカジノで最も人気のある博奕が大小タイスウです

大小はサイコロによる丁半博奕の一種である。違うのは賽の数が二個ではなく、三個だということだ。ゲームの基本は、賽の目の大小を当てることにある。三個の賽の目の合計数は最小三、最大十八である。その両端を除き、四から十七までを二分し、十までを小とし、十一以上を大として賭けるのだ。

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p141)

また上記に加えて、大小には、三個の賽の目が同じになったら、つまりゾロ目になったら大小いずれも親の総取りになるというルールがある。

そして沢木氏も大小に魅きつけられた。

これね、ファイナル・ベッツもの!いやあヒリつくぜ!

ネタバレ防止であまり書けないのですが、要するに沢木耕太郎氏対ディーラー、まさにリアルカイジ!イカサマを見抜いた沢木氏に果たしてディーラーは…的な展開!

ラムノ
ラムノ

2日間にわたる
マカオの死闘!

Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ

和英で「SAI」と引くと、すぐに見つかった。綴りはやはりDICEだった。しかし意外だったのはそれが複数形で、賽の単数はDIEであると記されていたことだった。DIE、つまり死だ。賽が死とまったく同じ綴りを持っていることに驚かされた。

引用:『深夜特急1 香港・マカオ』(p169)
ラムノ
ラムノ

ギャンブルの本質
ここにあり!

次回マレー半島・シンガポール編!

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【55秒書評】
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