Alongside Buddha ~ あの世なんて存在しない
現世をいかに充実させて きちんと楽しく生きることが最大の関心事
引用:森永卓郎「余命4ヶ月」宣告から1年、なぜ未だ徹夜で書き続けられるのか。その心と体に迫る(がん/メンタルヘルス/書いてはいけない/ザイム真理教/官僚生態図鑑/人生論) – YouTube
やさしい声だなあ

見栄は張らない。見栄を張るために無理をするのはよしましょう
引用:森永卓郎「余命4ヶ月」宣告から1年、なぜ未だ徹夜で書き続けられるのか。その心と体に迫る(がん/メンタルヘルス/書いてはいけない/ザイム真理教/官僚生態図鑑/人生論) – YouTube
森永卓郎さんは2025年1月28日に原発不明がんのためご逝去されました。67歳でした。

森永教授にあの世があったか聞いてみたいわアータ
Who are you? ~どんな内容?
48冊目はこちら。『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(フォレスト出版、2024年6月21日発売)です。
著者は森永卓郎氏。1957年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。経済アナリスト、作家、ラジオパーソナリティ。獨協大学経済学部教授。
2023年11月8日。「来春のサクラが咲くのを見ることはできないと思いますよ」。
医師から告げられた余命半年の宣告。
まえがきによると、森永氏は以前より親交がある三五館シンシャ(2017年に倒産した出版社・三五館の元社員の方が新たに設立した出版社)の中野社長から「森永さんの闘病記を読んでみたい」というメールをもらい執筆を決意されたそうです。
余談ですが、この三五館シンシャの最大のヒット作は日記シリーズで、森永氏も大好きで読まれています。ということでこの本、55秒でやります。
【55秒書評】『ディズニーキャストざわざわ日記 “夢の国”にも×××× ご指示のとおり掃除します』はこちら!
突然の余命宣告から、治療法の選択、がんとお金、死生観…
満身の闘病ドキュメント
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(表紙帯)
ところがどっこい。

さすが森永卓郎!
悲壮感ゼロ!
そのあっぱれな生き方は、このあとのI like you! ~紹介する理由にて紹介します!
MORITAMA ~森永氏の選択
とくに本書で読者に伝えたいことは、私は「死んでもいい」とは思っていないものの、延命にはこだわっていないということだ。
それは、いつ死んでも悔いのないように生きてきたし、いまもそうして生きているからだ。それが具体的にどういうことなのか。それをお伝えしたいというのが、本書のメインテーマだ。
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(p5)

どこかで見たような
言葉だなあ
「抗がん剤とか手術で痛い思いをしたり、苦しんだりしたくない。俺はやりたいことは全部やってきたから人生になんの後悔もないし、いつ死んでもいい」
引用:『抗がん剤を使わなかった夫~すい臓がんと歩んだ最期の日記~』(P32~33)
2024年2月16日にご逝去された叶井俊太郎氏の言葉です。
「いつ死んでもいい」という言葉があるかないかの違いはありますが、お二人とも「悔い」「後悔」はないと言い切っておられます。
【55秒書評】『抗がん剤を使わなかった夫~すい臓がんと歩んだ最期の日記~』はこちら。
そういえば森永さんはこんなこともおっしゃってましたね

「私が治療法を真似した唯一の事例は、叶井さんのものだった。」
『がん闘病日記』の森永卓郎 推奨!
引用:『抗がん剤を使わなかった夫~すい臓がんと歩んだ最期の日記~』(表紙帯)
この『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』のなかで、森永卓郎氏が倉田真由美氏との交流について触れられています。
実は、がんにり患された直後森永氏がたった一人だけ入院前に話をされた方、それが倉田氏だそうです。元々ラジオで共演され、「もりたま学園」という漫才コンビも結成。
肝心の面談は森永氏の体調悪化もあり15分ほど、Zoomを通じてではありますが倉田氏からは励ましの言葉、そして森永氏は叶井氏が抗がん剤の投与を拒否し、血液免疫療法を選択された等聞かれたそうです。そしてこの面談の最後に倉田氏が…
「でもね、全員に効果があるかどうかはわからないから、私は血液免疫療法を勧めてはいないんですよ」
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(p100)
森永氏はこの言葉を聞いて、心に突き刺さった、なんて冷静な判断をする人なんだろう、と思われたそうです。
と、ここで。

森永氏による がんという病気の解説が面白い
森永氏の頭の中で整理されているがんのイメージだそうですが…
それによると。
新陳代謝とは、古い細胞をコピーして新しい細胞を作ること。ただまれにコピーミスが起きる。それががん細胞というわけです。
このがん細胞は何と毎日、誰の体にも数多く生まれている。

がーん
どうしゅよう(腫瘍)
ただ同じく体の中に存在する免疫細胞ががん細胞を攻撃し、消滅させるので問題になることは少ない。

しゃーんなろ!
おっ サクラ

しかし普段優勢な免疫細胞が弱って、がん細胞が優勢になる。
それががんの発病。

免疫細胞入りのキャットフード売ってないかしらアータ?
実は森永氏は2023年12月に抗がん剤を使用されましたが体に合わず「死にかける」状態になります。
そして倉田氏との面談、そのほか著名人の治療等参考にされた結果、最終的にオプジーボの投与と自己免疫療法の組み合わせを選択されました。
ちなみに抗がん剤とは直接がん細胞を攻撃するもの。オプジーボは免疫の力を回復させることでがんへの攻撃力を回復させる。ただしオプジーボの効果は数か月経つと落ちていく。そして血液免疫療法というのは採血した本人の血液のなかから免疫細胞を培養、増殖して、本人に戻す方法。
ちなみに上記の治療はすべて保険診療でカバーできる。
現に、森永氏もこうおっしゃっています。
保険診療だけでがんに打ち勝った人はたくさんいる。だから個人的には健康保険の範囲内での治療を勧めている。
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(p67)
色々な治療方法が
あるんですね

I like you! ~紹介する理由
この本のタイトルを今一度、確認します。

『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』アータ
お金よりずっと大切なこと。
それが冒頭のYouTubeでご本人がお話されていた、きちんと楽しく生きること。
私が社会に出て44年が経過した。その間、私がずっと貫いてきた信条は「いまやる、すぐやる、好きなようにやる」ということだ。
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(p108)
本書の目次ですが…
第1章 突然のがん宣告
第2章 殺到する「がんの治し方」
第3章 がん治療とお金
第4章 私の選択
第5章 いまやる、すぐやる、好きなようにやる
第6章 素敵な仕事、自由な人生
本書は208ページありますが、正味な話、がん闘病日記は第4章までです。

どういうこと?
第4章終了時点で105ページですが、その後は新卒後の社会人生活を書かれ、どのように生きてこられたか、つまり残りは全て「お金よりずっと大切なこと」、そんな森永氏の生きざまが書かれています。要するに森永氏は、ご自身の治療経験よりも、信条を書かれることで、がんと闘う姿勢を私たち読者に明確に打ち出しているわけです。
そんな森永氏の本領&真価を発揮な部分が161ページからの『モリオ童話集』!
私は、童話作家になりたいと思い続けている。厳密に言うと、イソップ童話のような寓話が書きたいのだ。
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(p158)
161ページから184ページまで『ヒツジ飼いの少年とオオカミ』『新版 アリとキリギリス』などブラックジョークや皮肉が散りばめられている寓話が6編収録!お見事!面白かった!
ちなみに、このモリオというのは童話作家としてのペンネームだそうです。

百田尚樹氏の『カエルの楽園』を思い出させる!
他に歌人になりたい、歌手になりたいとモリタク節炸裂!
こういうがんとの闘い方もあるんですね

Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
「ずっとバイオリンを弾いて、唄って、自由に生きられた。とても素敵な一生だったな。もう思い残すことなんて、何ひとつない。ああ、楽しかったな」
引用:『がん闘病日記 お金よりずっと大切なこと』(モリオ童話集 P14)
『新版 アリとキリギリス』からです。

心より ご冥福をお祈りいたします
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