Who are you? ~どんな内容?
「千原ジュニアYouTube」2024年11月5日。千原ジュニア氏と髭男爵・山田ルイ53世の対談がアップされました。
当時は関西で「御三家」ってギリ言われていたような 灘・甲陽学院・六甲学院 六甲に中学受験して入れた(山田ルイ53世氏)
引用:髭男爵・山田ルイ53世とがっつりトークしたらジュニアとの知られざる共通点が発覚!相方・ひぐち君に対する本音が爆発!
中高一貫の…一緒やわ(千原ジュニア氏)
ここから似たようなルートを一瞬 辿るんですよ(山田ルイ53世氏)
(開始 5:06~)
え、マジで?驚くジュニア氏に「中2の夏に不登校になりまして」と山田ルイ53世氏。
えええっ!と仰け反るジュニア氏。一拍おいて…
ルネッサ~ンス
引用:髭男爵・山田ルイ53世とがっつりトークしたらジュニアとの知られざる共通点が発覚!相方・ひぐち君に対する本音が爆発!
(開始 5:32~)

ジュニア氏のはじける笑顔に注目!

37冊目は「ヒキコモリ漂流記【完全版】」(KADOKAWA、2018年8月24日発売)でございます。
著者は山田ルイ53世氏。1975年4月10日生まれ。兵庫県三木市出身。サンミュージックプロダクションに所属するお笑いコンビ「髭男爵」のツッコミ。ネタ作り担当。本名は山田順三氏。
冒頭のYouTubeにありますように、学業優秀で、関西でも名が通った名門校に通っていた山田氏ですが、中学2年、14歳の夏に…

通学途中で大便を
漏らしてしまい…
なんとか夏休みまでの数日は学校に行くものの、結局夏休み明けから実に20歳までの6年の間、引きこもります。
山田氏は本著の中で、大便を漏らしたことは引き金に過ぎなかったのかもしれない、と振り返りつつ、
友達との経済的格差、それを埋めるための猛勉強、長距離通学の負担、睡眠不足。それらのことが積りに積もって、ボディブローのように僕の心にダメージを与えていたのだろう。そして「ああいうこと」になった。
引用:「ヒキコモリ漂流記【完全版】」(p10)
客観的に振り返っています。
本著はこの引きこもりに至った経緯とその胸の内、心の機微に加え、家族を始め周囲の反応を山田氏が確かな筆力で描きます。

ジャンルは
エッセイなのですが
さらに引きこもり後の生活、社会に出て芸人を目指す流れ、下積み生活からの脱却、そして髭男爵の誕生秘話、最終的に家庭を持ち親になる。
このように引きこもりというバックボーンを持つ、一人の人間が歩んできた半生を本人が解説、説明していく、いわば当事者臨床研究における「中間結果報告」なのです。
どこぞの偉い先生が、何人もの該当される方にインタビューをした、ですとか、様々な統計結果をまとめた、とかアカデミックでありながら客観視を通り過ぎて傍観者たる冷たすぎる視点で書かれた白書系とは明らかに一線を画します。引きこもりサイドからの発信というのがミソなのです。
憶測や考察一切なし

引きこもりってどんな感じなの?そんなに引きこもっていられるの?毎日どうやって過ごしていたの?親や学校の先生はいろいろ言ってこなかったの?どうやって引きこもりを辞めることになったの?なんでひぐち君なの?
こりゃ確かに読みたくなる


最後の質問
悪意あるわねアータ
Let’s collaborate! ~ボンジュールアドラー君
事例検討に最適な貴族?
さて、ここでどうしても本著を紹介させていただく理由として、先に55秒に登場した「嫌われる勇気」の哲人と青年にも再度ご登場いただきましょう。
「嫌われる勇気」についてはこちら!

さあ 「本から本へ」歩いてみましょう!
「嫌われる勇気」には様々な事例が出てきます。その事例に沿ってアドラー心理学を哲学者(以下哲人)が青年に説明していく流れです。
読み手も実生活で起きていることを照らし合わせ「そういう風に考えるのか」と確認しながら読む。これがこの本の一つの読み方です。
ただ私の実生活の中で取り上げる事例は「進行形」でありまだ結論を迎えていないものが多い。

転職したいけど行動に移せないとか
そんな中。
わたしの友人に、もう何年も自室にこもりっきりになっている男がいます。彼は外に出たいと願っているし、できることなら仕事を持ちたいとも思っている。いまの自分を「変えたい」と思っているわけです。(中略)しかし、彼は部屋の外に出るのが恐ろしい。一歩でも外に出ると動悸がはじまり、手足が震える。(中略)変わりたくても、変われないのです。
引用:「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(p25)
自室でこもりっきり。このキーワードを見た時にこの企画を思いつきました。
「嫌われる勇気」の中にあるこの事例を、実際に経験されている方がいる。その方はその経験を一旦「終えて」いて、本に書かかれている。
これだ。これなら事例として検討できる!
そんな本が、山田ルイ53世氏「ヒキコモリ漂流記【完全版】」だったのです!
引きこもりを選んだ貴族?
取り上げる箇所は、第一夜24ページ、青年は「人は変わりたくても変われない。だから新興宗教や怪しげな自己啓発セミナーにだまされる人が後を絶たない」と発言したくだりからです。
哲人は逆に「なぜそうも頑なに変われないと主張するのか」と問います。そこで青年が…
ちょっと!何がしたいの?


アドラーの目的論に沿って山田氏の引きこもりを検証する企画です!
ここで最初にお断りしておきますが、アドラー心理学は「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに対する答えを提示しています。
今回の引きこもりに関連する話は、この結末に及ぶまでの一部です。
ですので、あくまで引きこもりという行動にアドラー心理学ではどう考えるのか、というところに焦点を当てます。
ここでアドラー心理学を再度読み始めてしまうと、山田ルイ53世氏はどうすれば幸せに生きることができるか、というただのお節介な話になるからです。

誰も見ないでしょこんなの
よってここでは「第一夜 トラウマを否定せよ」の中で話を進めていきます。

第一夜のみってそんな半端な検証が許されるのアータ?
ちなみにこの友人の引きこもりの原因は作中明らかにされていません。
両親との関係、学校や職場でのいじめ、逆に甘やかされて育った…青年は「彼の過去や家庭の事情まで窺い知ることはできない」と言っています。
でもどちらにせよ、過去にトラウマなり何なりの「原因」となる出来事があった。その結果、彼は外に出られなくなった。青年はそう考えていた。

山田氏による分析は
先述の通り
一方、アドラー心理学ではトラウマ「あらゆる結果の前には、原因がある」という考えを否定し、いまの「目的」を考えます。
ここでは友人が「不安だから、外に出られない」のではなくて「外に出たくないから、不安という感情をつくり出している」と見て取るわけです。
しかし青年は「どうして外に出たくないのですか?問題はそこだ」と哲人に問う。
すると哲人は「親だった場合、あなたならどう考えるか」と逆質問。「そりゃ心配する」という青年に対し…
外に出ることなく、ずっと自室に引きこもっていれば、親が心配する。親の注目を一身に集めることができる。まるで腫れ物に触るように、丁重に扱ってくれる。
引用:「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(p31)
えっ?つまりこれが山田ルイ53世氏が引きこもっていた理由?これがアドラー心理学の見解なの?

アータ全然違くない?
ねえ順三ちゃん

さあ貴族対アドラー
勝つのはどっちだ!

勝ち負けじゃ
ないんですけどね
このままご友人のお話を続けても議論は平行線でしょう。欠席裁判になるのはよくありません。別の事例で考えましょう。
引用:「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(p32)
「嫌われる勇気」では、一旦引きこもりの友人以外の事例で話が進みます。上述通り、この後友人の話に触れる機会は結局ありませんでした。
自発的行動に関するアドラー心理学の考え(第一夜まで)
ここで簡単に
まとめちゃいます

本に順々に登場する考え方に数字で順番をつけました。またアドラー心理学では性格や気質のことをライフスタイルという言葉で説明します。
1:なにかしらの「目的」に沿って生きている
2:幸せを実感できずにいるのであれば「このまま」でいいはずがない
3:「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うか」
4:いまの自分が不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだから
5:「不幸であること」を自分にとって「善」と判断
6:再び自分でライフスタイルを選び直すことも可能
7:変わらないのは自らに「変わらない」という決心を下しているから
8:不満はあっても「このままのわたし」でいることのほうが楽であり、安心
9:このライフスタイルをやめるという決心
ここで第一夜が終わります。
どうでしょう。山田氏は目的に沿って引きこもりをしたのか。山田氏は引きこもりを「善」と思い選んだのか。引きこもりの生活を変えるつもりがないと決心していたのか。このまま引きこもりでいた方が楽だと思っていたのか。

アドラー視点を交え ヒキコモリ漂流記を読むと興味深い
そんな中!山田氏に…

ライフスタイルをやめるという決心が訪れる!
後編はこちら!
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