【55秒書評】「夫のちんぽが入らない」

【55秒書評】「夫のちんぽが入らない」 【55秒書評】
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Who are you? ~どんな内容?

33冊目はこちら!「夫のちんぽが入らない」(講談社、2018年9月14日発売)でございます。

著者はこだま氏。主婦。覆面作家。2017年1月、実話を元にした私小説「夫のちんぽが入らない」でデビュー。「yahoo! 検索大賞2017」小説部門賞受賞!

主人公であるこだま氏と夫の夫婦の物語。

各界から絶賛の声。

まっすぐ歩けないから回り道。でも回り道が一番の近道だったと気づく時がくる。それがくるまで歩き続ける。その歩幅を広げてくれる一冊。麒麟・川島明(芸人)

普通の夫婦なんていない。他人から見ればきっと皆どこかおかしい。だからこそオリジナルの夫婦の形、愛の形を作り楽しむべきだ。この夫婦には素晴らしい絆があり、私は大ファンになりました。小池栄子(女優)

終わることのない痛みに震えながら、それでも一気に読んでしまった。少しずつ明るくなっていく空のもと、ふたりが見つけた「つながり」が現れる。今日マチ子(漫画家)

読後、潔いタイトルが心に染みわたる。誠実で切実で普遍的な、後世に残る夫婦の物語の名作!僕はそう思います。三浦大輔(劇作家 映画監督)

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 特別仕様 表紙)

数年前、職場の元同僚と今も一緒に働く同僚に貸して、無事に帰還した一冊です。その際元同僚から「ウチの母親にも読ませてたいのでもう少し借りてもいいですか?」と言われたのを覚えています。またもう一人の同僚からは「めちゃくちゃ面白かったです」という感想を下さいました。

ちなみにお二人とも女性です。

例えば「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」という本があります。この本は、村上春樹氏が心理学者の河合隼雄氏に会いにいく本です。

どういう本のタイトルにしようかといろいろ考えたのだが、結局「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」という以上のものを思いつくことができなかった。簡潔にして要を得ているーーと僕は思う。なんだか物語の始まりみたいではないですか。村上春樹

引用:「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」(p12)

つまり、この本もタイトル通りの内容です。

ラムノ
ラムノ

しかし……

こだま氏、本人のお話。

いきなりだが、下ネタが苦手だ。

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 P224)

であるに関わらず…

ココ
ココ

村上春樹氏はこの3行(文庫本だと4行)のみですが、こだま氏の場合はこのタイトルになった理由を、文庫本でいうと、あとがきの221ページから、文庫版エッセイ「ちんぽを出してから」が終わる240ページ、さらにはエッセイスト末井 昭氏の解説「ちんぽの御利益」の最後249ページに至るまで28ページに渡り説明しています。

ラムノ
ラムノ

このタイトルにした理由こそ この本が伝えたいことなのです

そのうえで。

ただ痛い。とにかく痛い本です。しかしそれは実際の痛覚からのものと、世間の常識というナイフで切り刻まれる幻肢痛に似た痛み。さらに、概念上のイタいも入っている。

いたい…。眉を終始寄せながら読む感じ。楽しい内容ではない。でもところどころ。

声出して笑う

ココ
ココ

この本は、目次はありませんが

Ⅰ 春陽
Ⅱ 落日
Ⅲ 極夜
Ⅳ 朝暉

上記、4つの章に分かれており…

高校を卒業後から、

信じたくないが三十八歳になってしまった。これは野性のゴリラの寿命に匹敵するらしい。

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 P212)

までを描いています。

それから大学進学、夫と出会い、教師になり、夫と結婚、教師としての葛藤、挫折、そして退職。その後の人生。

”普通じゃない”個人が個人で解決していく物語ではなく、”普通じゃない”個人と個人がともに普通じゃないことを受け入れていく。

夫婦といえど。

楽しさは倍。つらさは1/2…にはならないんだよね、そんな簡単には。

I like you! ~紹介する理由

「『普通じゃなくていい』と伝える本なんだから、タイトルだって『普通』や『常識』に囚われなくていい」

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 P226)

この本における普通。それはパートナーと愛し合い、結婚して、子どもを産み、育てること。それは当人同士でなく、実は周囲も普通、当り前と思っていること。

こだま氏は、いやこだま氏と夫は、これら当たり前が、一向に当たり前にならない生活を送ることになります。

それは夫婦生活のみならず、仕事の面でも。

その過程でこだま氏が抱く葛藤

ココ
ココ

これに加えて。

実はこの本。この55秒で。

ラムノ
ラムノ

当初取り上げるつもりはありませんでした

しかし、近日中に55秒で紹介する予定だった「40歳がくる!」の作者、”こじらせ女子”の生みの親、雨宮まみ氏がこの本に推薦コメントを寄せていたことを、ついこの間発見しまして…(正式には当時から目にはしていたのでしょうが特に気にしていなかった)。

雨宮氏のコメントを読み、何年かぶりに再読したら、やっぱり面白かったので取り上げることにしました。

一生に一度しか書けない文章っていうのがあって、これはまさにそれなんだけど、それを書いちゃったら終わりかっていうと、書いたら次も書ける。びびって書かない人は、ずっと何も書けない。雨宮まみ氏(ライター エッセイスト)

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 表紙帯)

実は続きがあった。以下も雨宮氏。

「こだまさんは何をされても大丈夫ですよ。絶対大丈夫です。いい文章書いて下さい」

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 p238)

結局、こだま氏は次作「ここは、おしまいの地」で第34回講談社エッセイ賞を受賞します。さすが雨宮氏、見抜いていたんですね。

確かな文才 
一気読み間違いなし

ココ
ココ

Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ

「今、体育館や家庭科室やグラウンドをまわって先生のために撮ってきてやった。この学校の思い出にすればいいんじゃない?あとは自分の金で現像してよ」

引用:「夫のちんぽが入らない」(文庫本 p146)

教師を退職した後に、教え子からもらったのは二十四枚撮りのインスタントカメラだった。でも撮られていた写真は見事に全部…

ラムノ
ラムノ

ここ ジーンときました

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