Who are you? ~どんな内容?
15冊目は【55秒書評】「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(宝島社、2024年5月7日発売)でございます。
著者は川田利明氏。1963年12月8日生まれ。栃木県下都賀郡大平町(現・栃木市)出身。足利工業大学付属高等学校(現・足利大学付属高等学校)のレスリング部に所属し、1981年の茨城インターハイ準優勝の後、滋賀秋季国体では見事優勝!83年3月に全日本プロレス(創始者はジャイアント馬場選手、1972年9月9日設立)に入団されます。同年10月4日に冬木弘道戦でデビューし「天龍同盟」「超世代軍」を経て田上明氏と「聖鬼軍」を結成、必ずや後世に語り継がれるであろう(いやもう語り継がれている)「四天王プロレス」を繰り広げられます。
同盟とか世代とかなんなのアータ
要はチームです。プロレスは団体内のレスラーが仲間になったり、対立する図式で試合を行います。プロレスファンはこの結成また解散というプロセスを戦いと同時に楽しむわけです。
「四天王プロレス」は90年代の全日本プロレスを象徴するキーワードです。川田利明氏のほかに三沢光晴氏、小橋健太氏、田上明氏というチャンピオンクラスのレスラーたちが真っ向勝負を展開。受け身の技術の向上、熟成される技のやり取りにより、一般的なフィニッシュでは決着がつかなくなります。ファンも、より過激な攻防を求め、選手たちもその声に応えようとするあまり、最終的には受け身が取りづらい技が出現。あの時代、選手たちは文字通り命がけでリングで戦っておられました。
川田氏は全日本プロレスの至宝、三冠ヘビー級王座に第12代、第18代、第21代、第28代、第32代(10回防衛。これは第62代王者の宮原健斗氏と並び最多連続防衛回数記録保持者)と計5度に渡り君臨され、その他に様々なタイトルを獲得されます。
全部紹介しきれない!
とにかくTOP OF TOP、まさにLEGENDなプロレスラー!
しかし三沢光晴氏のリング禍(2009年6月13日、試合中に意識を失い急逝)により「プロレスの情熱がスーッと冷めていくのが分かった」ことでセカンドキャリアを歩まれることを決意されます。
そんな川田利明氏がセカンドキャリアとして選ばれたのがラーメン屋さん!
その名も「麺ジャラスK」!
元々この本は2019年にワニブックスより刊行された単行本『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学』を改訂・改題し、文庫化されたものです。
どうですか。黄色と黒のデンジャラスK(川田氏のニックネーム。お店の名前もこのニックネームに由来されております)仕様の装丁。川田氏の入場曲である「HolyWar」が聞えてきそうです!
さてこの本の内容ですが、第1章の「デンジャラスK」が「麺ジャラスK」に〝転職〟した理由から第5章のそれでもラーメン屋になりたい人に教える「俺だけの王道」辛口10箇条!の章立ての構成です。
物件選び、開業資金、食材は現金払い。コップをお客さんが割っても弁償できない。駐車場代は利用が無くても賃料は支払う。食洗器、冷蔵庫の「保守料」も馬鹿にならない等々。ラーメン屋経営の舞台裏が赤裸々に、余すことなく書かれています!そして…
今もずっと思っている。ラーメン屋は絶対にやらないほうがいい、と。
引用:「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(P12~)
それはこういう理由だからだよ。この本はそんな川田氏の言葉で埋め尽くされています。
うわあ…きっつ
ラーメン屋ってこんなに大変なの?
I like you! ~紹介する理由
単行本のタイトルにあるように、ラーメン屋さんは開業から3年以内に8割が潰れるそうです。そして川田氏のお店の物件は「2年以上、続いたことがないんじゃないかな?」と川田氏が述べられています。さらに川田氏によると、日本には約3万軒ものラーメン屋が存在してるそうです。牛丼チェーンが大手3社の店舗数をすべて足してもたった4100店ぐらい。
今回ご紹介する文庫では、お店は14年目に突入!あと5年続ければ20周年!
単純に川田氏、すごいですよ。結果、めちゃくちゃ出しているじゃないですか。
でも、そこまでは続かないような気がしている。まず、お金がもたない。そして体ももたない。ただやめるにもお金がかかる。
引用:「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(P12~)
「近いうちに『麺ジャラスK』に行ってみよう」と思ってもらえると嬉しいよ。
引用:「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(P210)
何故「麺ジャラスKが14年続いてきたのか。普通にその理由を知りたくなりませんか。
また純粋に本の面白さ、という観点からも単行本の後に文庫化されている。これだけでも品質保証済み、ではないですか。
ぜひ読んでみて下さい。
絶対お店、行きたくなりますよ。
Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
あの入り口から馬場さんが入ってきて、俺が作る料理が出てくるのを待っている、という光景を思い浮かべただけでも、なんだかワクワクするよね。
引用:「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(P216)
それは馬場さんだけじゃなくて、先輩の三沢さんにしてもそう、俺の料理を高校生の時から食ってきた三沢さんは、なんて言ってくれるかなって。
引用:「プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る「してはいけない」逆説ビジネス学」(P216~P217)
みなさま、自分からは何も言うことはありません。ただ、このフレーズたち、これらは上げておきます。
🍜麺ジャラスK 麺ジャラスK 店長 川田利明 (@orenooudou) / X
住所:
東京都世田谷区喜多見6‐18‐7 ビスタ成城 1F
アクセス:
小田急小田原線「成城学園前」駅から徒歩約12分。ちなみに私は南口から徒歩3分の小田急バスに乗車し「砧中学校下」で降車、徒歩3分で伺いました。同じく帰りもお店の反対側の車線に駅までのバスが出ています。思ったより楽に行けます!おすすめ!
何を隠そう、私も自宅から距離があり、伺うことが出来ませんでした。でもこの本を見て、何故川田氏は14年も経営出来たのか、そしてそのラーメンの味とはどんなものなのか、知りたくなり先日初めてお邪魔させて頂きました。
そうです。
この本にはそんな魔力も秘めています!
感動しました。深い、深い味でした。
ごちそうさまでした。
翼よ!あれが麺ジャラスKの灯だ!
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