Who are you? ~どんな内容?
記念すべき10冊目は「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(文藝春秋、2021年9月24日発売)でございます。
この本は中日ドラゴンズを2007年、52年振りに日本一へ導いた落合博満氏の8年に渡る監督時代を描き切った、超傑作ノンフィクションです!2021年度ミズノスポーツライター賞と、第53回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞!すごい!すごすぎる!
著者は鈴木忠平氏。1977年生まれ。千葉県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、日刊スポーツ新聞社で16年間、プロ野球担当記者を経験。2016年に独立され、2019年までnumber編集部に所属。現在はフリーでご活躍されております。
あとがきによると、2020年の初夏に文藝春秋社「週刊文春」の編集長でいらっしゃる加藤晃彦さんから「落合さんを書いてみませんか?」と言われたそうです。そしてその年の8月13日・20日の合併号から連載を開始されました。
落合博満氏と鈴木忠平氏は実際8年間に渡り、取材対象者と取材者でした。物語は2003年10月3日の朝、鈴木氏があるメッセージを伝えるためだけに、落合氏の自宅を訪ねるところから始まります。
落合氏が監督に就任した2004年から2011年までを、12名の選手、コーチの目から見た落合博満氏への思い、そしてどう感じていたか、そして落合氏と関わることでどう変わっていったのか。ここに触れながら、取材者である鈴木氏が落合氏をどう見て来たのか、そして実際のペナントレースの出来事を織り交ぜながら、描いていきます。
ただの舞台裏ではありません。心理、いや「心裏」描写がマジ半端ない!(語彙力)
この本の評価はAmazonの☆を見て頂ければお分かりになるでしょう。わたくし如きがアレコレお話させて頂くレベルを超越しています。
本の内容は皆様、ごゆっくりお調べください!
何だ 手抜きか?
いやいや。
今回は次のご紹介させていただく理由!ここに情熱を注がしていただきます!
いやあ、この本に出会って良かった。とにかく揺さぶられました。引っこ抜かれました、たましいを。本当に面白かった!そして読了した次の日から、上司や同僚に落合博満氏チックに(意味深であり、どこか謎解きのような感じで)職場の問題を指摘したり、現状を分析したりしちゃいました。
そうです。ヤンキー映画を見た後に、まともに影響を受けて肩で風を切って歩く高校生のように、私は落合博満氏に完全に感化されたのです!
ここで一言、お伝えしたいことがございます。
私、幼少時から大の
ジャイアンツファンでございます!
I like you! ~紹介する理由
落合氏はジャイアンツにも所属しておりました。
1994年広島戦、江川卓氏に「すごいホームラン」と称された一発。1996年横浜戦、9回表同点ホームラン。国民的行事10.8、守備で痛めた左内転筋を押しての激走。覚えています。忘れません。
でもこの本の落合博満氏は、中日の監督。
私がまずこの本を手に取って思ったのは、
落合氏、中日ドラゴンズという局地的テーマで受賞した本って一体どのような内容なのだろう?というものでした。ですので私はこの本を「どれどれ」といった具合に読み始めたわけです。
そしてページを重ねていくうえで、その疑問はあっという間に霧散しました。
要は落合博満氏の8年間。ここをプロ野球の一軍監督という立場を、周囲にいた12人の人物、そして鈴木忠平氏の取材者としての眼を通じて、氏の人生観、責任感、哲学、価値観を浮き彫りにしたものであることが分かったのです。
つまり、ロッテ、中日、巨人、日本ハム。どのチームでも関係ないわけです。
いやはや、落合博満氏、感服致しました!
それは三冠王に輝いた元プロ野球選手として、ではなく、社会人として落合氏の言葉、選手への接し方、振る舞い、思慮。ここです、ここ、いやあ、何と言うか、カッコいい!
この本は「落合博満は中日をどう変えたのか」という題名です。ただ、この本の帯には「この本は一体、何人の人生を変えるのだろうか」というキャッチコピーが躍っています。
実際落合氏は、2004年に監督に就任していきなりセ・リーグ優勝(1999年に星野仙一氏が監督としてリーグ優勝して以来5年ぶり)という結果を出します。日本シリーズは惜しくも西武ライオンズに敗れてしまいますが、この年は「ひとりの選手も戦力外にすることなく、補強もせず」1年間戦われました。
これは自分の眼で現状を確かめていない、という理由からでした。私は僭越ながら、ここに、落合氏の管理者としての自覚を強く実感するとともに感動しました。
何故ならば、一般的な管理者は会社に守られている。つまり定年まで雇用を約束されている(昨今は全部が全部ではありませんが)。しかしプロ野球の監督は契約によるものです。結果が出なければクビ。保身に走るのであれば、より強い戦力を求めるのは当然です。
落合氏はそうしなかった。私はここで既に畏敬の念を抱きました。
他方、翌年からは容赦なく戦力を整備し始めます。でもそれは全て「落合氏主導によるもの」。つまり責任をご自身で被る覚悟で断行するわけです。選手に優しい言葉掛けなどありません。実力優先。若手もベテランもありません。プラス適材適所。抑えの岩瀬投手への信頼がその代表です。一見シビアですが、完全なる平等な労働環境整備を敷いたわけです。
すごいなあ。情とかあるでしょうに、ねえ…
でも随所に選手への愛が
溢れているわアータ
どんなふうに?
後はお読みください!
絶対何か感じるはずです!
最終的に監督を務められた8年間でリーグ優勝4回、日本シリーズ出場5回、日本一1回、Bクラス(4位以下)0回でした。
中日の歴代監督、ナンバーワン!選手としても監督としても超一流!
さて、ここからがこの本の書籍ブログ、延長戦になります。
実際の選手たちは落合氏をどう見ていたか。その答えがこれ!
一方、当の落合氏はこの8年間をどう思っていたのか。
もしよろしければ、この二つの動画をご覧いただき、落合氏8年間の真実を実感いただくと同時に、改めて鈴木忠平氏の取材力、筆力に感嘆していただきたい!その洞察力、分析力、驚かれることと思います!
私も同僚に、そして部下に対して、自分の責任の下、接していきたい!そう強く思いました!
「この本は一体、何人の人生を変えるのだろうか」
少なくとも僕は人生、変わりました!
Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
「お前らのこと、認めてやるよ!」
引用:「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(p455)
この発言の主は勿論、落合博満氏。
2011年最後のシーズン後のある場面の発言です。
455ページ目に登場するこの言葉。この言葉を発するまでの落合氏の思い。
そしてそれはとてつもなく重い。重いんです。
今回55秒じゃ終わらないでしょ
これ
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