【55秒で書評】「アマニタ・パンセリナ」

【55秒書評】

Who are you? ~どんな内容?

4冊目はこれ!最&高ドラッグエッセイ「アマニタ・パンセリナ」です!

1993年3月19日、集英社より発売。

この本もですね、3冊くらい行方不明になっています。返して、って言えばいいんですけれどね。

著者は中島らも氏。1952年、兵庫県尼崎市生まれる。大阪芸術大学放送学科を卒業。コピーライター、ミュージシャン、俳優、そして作家の顔を持つ、マルチヒーロー!

社会人1年目の時、同期が著者である中島らも氏のファンでした。一回読んでみろよ、と勧められたのが「今夜、すべてのバーで」。これは第13回吉川英治文学新人賞(1992年)受賞作品です。

主人公は、らも氏ご本人と思わせる「くだらない売文稼業」要は物書きが職業の小島いるる。アルコール依存症で何度も精神科病院に入院して…という私小説チックなお話ですが、いやあ面白い!決して依存症の怖さだけでなく何とも言えない哀愁が満載で、一気読みしてしまいました!

で、今回ご紹介するのは、そんならも氏の実体験+伝聞ドラッグが次々と登場するエッセイです。まず目次がいいんです!ドラッグの一「睡眠薬系統」ドラッグの二「シャブ」ドラッグの三「オピウム(阿片)」…おっとまえがきである「はじめに」には、幻覚性のアルカロイドが含まれている、とされているガマ(ここでは多年生の草木のガマではなくカエル)を吸う、なんて書かれている、いや、イカれている!

そして毎回登場するドラッグを、らも氏の自宅に集まる「ラリリの居候」たちとの体験談にとどまらず、古典であるトマス・ド・クインシーの『阿片中毒者の告白』の解説、らも氏自身のうつ病にり患した話、鉄の爪フリッツ・フォン・エリックの息子の訃報など襟首を引っ張られるエピソードがてんこ盛りです!

破天荒とはらもさんのためにある言葉です!

ココ
ココ

I like you! ~紹介する理由

一言で言うと、手を出してはいけないもの。この本の大半はそんなものに触れています。そんな危険で怪しい物質たちを、らも氏が圧倒的知識、圧巻の筆力、さすがの表現力で極めて合法な書籍に仕立てています。怖いもの見たさ。興味本位。日常生活のすぐ隣にある、薬ではないクスリたち。

かのん
かのん

中毒性があるのよ

個人的にはこの目次の最後、ラストドラッグがアルコール、なのが好き。

酒はいい奴である。酒自体に罪は一切ない。

引用:「アマニタ・パンセリナ」(p229~)
ラムノ
ラムノ

要は飲み方ですからね

Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ

「それが気持ちがいいからだ」

引用:「アマニタ・パンセリナ」(P213~)

なぜ人はかくもドラッグにひかれるのか。らも氏の回答がこれなんです。

キャロ
キャロ

ネコはなぜマタタビにひかれるのか、みたいなもんね

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