Help me! ~いやあ、しんどいなあ
今回のお悩み:
「いまさらだけど、正直なところ『鬼滅の刃』って何がそんなに面白いんだ?」
プレゼンしましょう!

It’s you, you! ~そこのあなたに書きました
もうこの作品についてはみなさまに愛され、語り尽くされている。いまさら何をこのブログで紹介するの?そんな声が聞こえてきそうです。

どうせ映画公開が近いから便乗しようと思っただけでしょアータ

それはそう確かに
ダサすぎる

まあそうではあるのですが、最近またペットボトルのラベルやカプセルトイ、スナック菓子、フィギュアなど、炭治郎や禰豆子が顔を出し始めている。最終である23巻の第1刷発行が2020年12月9日です。そうです。あと半年も経てば5年です。もう完結からそんなに経つ漫画なのに、ですよ?
物語は完結すれば終わり。だがどうだ。想いは受け継がれ決して滅びず。

だから映画公開に向けたマルチメディア戦略だってばアータ
それなのに。

2025年7月18日。決戦の火蓋を切る。無限城編。しかも第一章。この第一章という言葉に制作の皆様による完全なる映像化を目指す、そんな覚悟が見て取れる。

第二章もあるってことか

そりゃ骨までしゃぶり…
やめろその言い方

歴代の邦画ランキングでも第1位。
コミックスも全23巻、1億5000万部(2021年2月の発表。2025年以降もこの数字がよく使われる)。
今回の記事はより明確にペルソナを設定し、その方々に向けてこのブログを放つことにします。
◇通常はこんな感じ

今回は超局地的です
ズバリ、今回は40代50代のあの頃の週刊少年JAMP大好き世代向けとなります!

あの頃の皆さん!鬼滅の刃、コミックス全部読みました?無限列車、観ました?USJの「XRライド~刀鍛冶の里を疾走せよ~」乗りました?
流行り過ぎていまさら読む気しない、ナメック星のフリーザ編こそ神、どうせ○○案件だろ、JOJOの方が面白い、過大評価されている気がする、千と千尋を超えたのが腹立つ、海外人気はNARUTOの方が上、老眼で漫画読むのつらい、いやそもそも残業と頻尿と不整脈と腹回りが…

そんなあなた!
いいですか、いま私たちが生きていることはそれだけで奇跡なんです!あなたは尊い人です!大切な人です!精一杯生きてください!最愛の仲間たちよ!
ちがうちがう終わっちゃう

たぶんワタクシごときがこの作品を語ったら、今晩、鬼に食われます。私はのんびりと爺さんになるまで暮らしたい。だからこの作品を語ることはしません。
ただ。
あ、そうだ。鬼滅の刃、映画そろそろだな。もう一回、コミックス読み直しておこうかな。そんな軽い気持ちで、再び手に取ったところ。
ああ、なるほどね。そういうことですか。いや知っていましたよ。当時コミックスが手に入らなかったこととか、初回限定版とかいって付録がついてきたとか。

いや、面白れぇし
いやいやなんだこれ、あらためてめちゃくちゃ笑えて、泣けるんですけど、なんなんこの漫画、こんなんだったっけ、猗窩座(あかざ)こんなに強かったのか、とか、刀鍛冶の里なんか印象薄かったけどこんなに面白かったか、とか何より、第139話の「落ちる」んとこ、魔界の扉を開き、魔界に落ちていく仙水を思い出したじゃないかとか、それよりこの「落ちる」から無限城編だよな、どれどれ映画予告編…何だこの映像、かっけー!無限城広すぎるだろ、これ映画館で見たら鳥肌モンだな!とか。
Who are you? ~どんな内容?
68冊目は『鬼滅の刃』【全23巻】(集英社)でございます。
著者は吾峠呼世晴氏。1989年5月5日福岡県生まれ。
主人公は炭を売り家計を支える少年、竈門炭治郎。いつもように炭を売りに町に行きますが、帰りに途中の三郎爺さんに「鬼が出るぞ」と忠告を受けひと晩泊まることになります。そして翌朝、母・葵枝、次男・竹雄、次女・花子、三男・茂、四男・六太が殺されている場面に遭遇します。そして一緒に倒れていた長女・禰豆子は息があるものの鬼に変貌させられてしまいます。

炭治郎は禰豆子を人間に戻すため、そして鬼殺隊(鬼を狩る政府非公認の組織)に入隊し一家を襲撃した鬼を倒すため旅に出ます。
この鬼が鬼舞辻無惨という名前でラスボスになります

作中には常に“家族愛”や“絆”、そして“生きる覚悟”が溢れています。兄と妹、兄と弟、姉と妹、兄弟弟子、結婚を誓ったふたり、師弟と、血のつながり以上に濃い関係が描かれます。一方で、鬼側も無惨から血を分けてもらい、同じく“血の物語”を紡ぎます。しかし無惨だけは、その血を己の野望のためだけに使う。鬼たちが無惨に賭けた思い、その哀しみと涙もまた深く心に響きます。
Attention please! ~ここが刺さりどころ
さあ、ここからはわんちゃら独自企画、あの頃のJUMP男子へ送る『鬼滅の刃』流行りモンだから見ないって言うのはちょっともったいないよプレゼン、を行いたいと思います。
まあ面白いんだろうけどさ、じゃあ何かに例えてよ、それなら見てみようかなって思うからさってああ、聞こえる聞こえる、かしこまりました。
それではこの方々に登場していただきましょう!
『聖闘士星矢』
あのですね、みなさん黄金聖闘士好きだったでしょ。あのサンクチュアリ編、自分の星座の黄金聖闘士、どんなやつだろうってワクワクしませんでしたか。私はちなみに乙女座・シャカ!あ、乙女座はバルゴって読みます。星座カーストありましたよね。蟹座・デスマスクなんてかわいそうでしたよね。
その点シャカは最強!なんて言ったって「最も神に近い男」ですよ!気分良かったなあ。で、最後『聖闘士星矢 冥王ハーデス編』これはコミックスで読んだのですが、嘆きの壁のところで12人の黄金聖闘士が揃ったところなんて、もう涙がぶわあっと…失礼しました。
なんで『聖闘士星矢』を出したか。似ているんですよ、鬼殺隊の順列が、聖闘士のそれと。
鬼殺隊は最上位が甲(きのえ)、その後10番目、最下位が癸(みずのと)とランク分けされています。そして甲の隊士が鬼を50匹倒すか、無惨直属の十二鬼月と呼ばれる鬼を1匹倒すと「柱」になることが出来ます。


この柱たちが聖闘士星矢の世界でいう黄金聖闘士なんです。ちなみに女神は、この作品だと鬼殺隊をまとめる産屋敷耀哉となります。
青銅聖闘士である炭治郎は紫龍、氷河、瞬とおなじ「仲間=同期」枠の我妻善逸、嘴平伊之助とともに柱と協力して鬼を倒していきます。
でこの柱の剣士たち。彼らが黄金聖闘士みたいでかっこいいんです。ただ星矢と違うのは、柱には女性もいること。まあでも、強さに単純に惹かれるJUMP男子にとってそこは関係ない。問題はみんなとにかくかわいい。しかしかわいいだけじゃない。まあ、ドラマがある。
とにかくこの漫画は柱です!
柱が出てくるとおおっとなる!
DRAGON BALL
なんか、いつも悟空待ってませんでした?悟空、早く来てくれー!ってみんなあの頃、クリリンみたいになってましたよね。『鬼滅の刃』もその要素、ありますが、主人公の炭治郎だけじゃないところが少し違う!
遊郭編で音柱・宇随天元の地上から降ってくるところ、上弦の弐・童磨と栗花落カナヲの戦いの時に伊之助が天空から登場するところ、極めつけは最終決戦で無惨にヒノカミ神楽・輝輝恩光を放った炭治郎!この仲間を救済するシーンこそ、JUMP魂、熱くなります!
ナッパに次々と倒されていくあのシーン。トラウマものでしたよね。いつだって悟空は遅れて来る。でも鬼滅の刃は遅れて来る、とはちょっと違う。
間に合った。そんな感じ。
その時のキャラたちの安堵感がめちゃくちゃ伝わるんです!(悟空ごめん、ただの私感です)
ハイスクール!奇面組
正直、ギャグ漫画で笑ったことってそうないんですよね。でも、奇面組はちがう!あの頃のJUMPでもひときわ面白かった。
でも。
個人的に全盛期の奇面組のギャグが面白度10段階中の7くらいだとしたら、鬼滅の刃のギャグは8いや…10!個人的に10!面白いですよ、ほんとに。センスいいんです、面白パート。面白いだけじゃなくて、可愛いんです。炭治郎も禰豆子も、善逸と伊之助も。これは全ギャグ漫画と闘っても勝てる。
ONE PIECE
途中でサウザンドサニー号、こっそり降りた方。まずは今からでも遅くない。やっぱりルフィたちと一緒に冒険しましょうよ。40代50代JUMP世代、忙しいですもんね。いつの間にか100巻超えてるの?とか言って。
でもそこのあなた。
そんなあなたでも、アラバスタ編でめちゃくちゃ泣きませんでした?そう、ONE PIECEの最大の武器は過去振り返りの凄まじいほどの感情移入のさせ方!これで、麦わらの一味になる面々をみんな好きになっていく。
でもちょっと待ってください。
鬼滅の刃は味方だけじゃない。敵の鬼の過去も恐ろしいくらい切ないものばかり。無惨が鬼になるように勧める人たちは、それだけ心に闇を抱えている人たちなんです。そして鬼になることである意味、救われてた人たちもいる。
鬼を狩る側、人を襲う側。それぞれにドラマがある。
これをONE PIECEに匹敵する表現力で、それぞれの悲哀が眼前に迫って来る。感情が流れ込んで来る。鬼と言っても過去は人だから、やっぱり人としてのやるせなさや切なさ、怒りに繋がる。そして鬼なのですが、最終的にかわいそう、気の毒だという気持ちになり、最終的に無惨への一極集中的な怒りに変る。こういう所は実にうまい。
勧善懲悪の悪を無惨が一手に引き受けている。

でも童磨は腹立った!
アニメの概念
推察ですよ。
個人的にアニメの話。80年代JUMP世代にとって、アニメ化は「すごい、人気作品なんだ」と思い込ませる要素であった。ただその実態は、早々と連載に追いついちゃって何だか無駄な時間稼ぎして…って原作にない話まで加える、商業の権化に成り下がる側面があった。
正直、子ども心に「なんか違う」と思っていた。
恐らく、そんな思いを抱えたクリエイターたちが、鬼滅の刃を作った。もちろん、CGなど技術の爆発的な向上もあるでしょうが、無駄な引き延ばしを良しとしない、原作をリスペクトした作品作り。
これがかってJUMP世代の「いや、そんなオリジナルストーリーいらんですわ」と思っていた、そんな胸の内を代弁して下さった。無駄なストーリーを作る行程を、作品の精度を高める時間に変え、ひたすら原作ファーストでアニメを作られた。
鬼滅の刃は最初から、そんな空気を感じるのだ。
鬼滅の刃が千と千尋に勝ったのは、ただ純粋にアニメを、原作を愛した職人集団の奇跡だった。ただ奇跡は二度起これば、奇跡ではない。
千と千尋を超えた、無限列車。
無限城編はそれすら超える。絶対超える。あの頃のJUMPを読んでいた私が断言する。
Present for you💐 ~揺さぶるフレーズ
おかえり
引用:『鬼滅の刃』(第204話 鬼のいない世界)
最終話の前のお話。全てが終わり、そして始まりの場所へ。炭治郎と禰豆子が顔を見合わせるシーン。すごいなあ、漫画って。すごいですよ、感情がもう行き所無くて、結局消化するしかないから、それが大抵涙になるんです。
それにしても。
ありがとうって日本語最強だと思っていましたが…

おかえりも負けずに響くなあと思いました
さあ、日頃疲れている40代50代のあの頃の週刊少年JAMP大好き世代の方々!どうですか、まだ間に合います。『鬼滅の刃』読みましょう!そして映画行きましょう!
Thank you! ~55秒解散!
今回の【55秒解決】
歳を重ねているからこそ、あの頃JUMPで味わった熱さと、今感じる家族愛の大切さ、両方の視点で『鬼滅の刃』が心に響く。

あのジャンプ黄金期を過ごした世代だからこそ絶対共感できるはず
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